

企業研究は、会社の情報を集めることではありません。会社を見る力を身につけることです。
はじめに
「企業研究って、何をすればいいんだろう?」
就職活動を始めると、多くの学生が最初に悩むのが企業研究です。
企業ホームページを見たり、会社説明会に参加したり、給料や福利厚生を調べたり……。
でも、それだけで本当に企業研究をしたと言えるのでしょうか。
私自身、学生時代は「企業研究とは会社の情報を集めること」だと思っていました。
しかし、社会人になってさまざまな企業と関わる中で気づいたことがあります。
本当に見るべきポイントは、学生時代にはほとんど見ていなかったということです。
企業研究で大切なのは、会社の情報を集めることではありません。
「会社を見る力」を身につけることです。
この「企業研究の教科書」シリーズでは、社会人になった今だからこそ伝えられる視点で、企業研究のやり方をわかりやすく解説していきます。
この記事はこんな人におすすめ
- 就職活動を始める学生
- 転職を考えている社会人
- 企業研究のやり方が分からない人
- 企業を見るポイントを知りたい人
- 社会人になっても役立つ企業研究を学びたい人
この記事で学べること
この記事では次の内容を学べます。
- 企業研究をする目的
- 私が企業研究の大切さに気づいた出来事
- 学生時代の私が間違えていた企業研究
- 本当に見るべき7つのポイント
- 企業研究に役立つ情報源
- 「企業研究の教科書」シリーズの読み方
なぜ企業研究をするのか
企業研究というと、「就職活動で志望企業について調べること」というイメージを持つ人が多いでしょう。
もちろん、それも間違いではありません。
しかし社会人になった今、私が思う企業研究の目的は少し違います。
企業研究とは、
会社を見る力を身につけることです。
会社を見る力が身につけば、
- 就職活動
- 転職活動
- 仕事で取引先を理解するとき
- ニュースで企業の話題を見るとき
など、人生のさまざまな場面で役立ちます。
企業研究は、一生使える知識なのです。
私が企業研究の大切さに気づいた出来事
当時の私は大学生で、就職活動の真っ最中でした。
ちょうど「就職氷河期」と呼ばれていた時代です。
大学では就職ガイダンスへの参加が勧められ、私も参加しました。
ガイダンスでは、大手企業の紹介や就職活動の進め方について説明があり、最後に「企業研究をしっかり行いましょう」という話で締めくくられました。
私は言われたとおり、就職情報サイトで企業を調べたり、会社説明会に参加したりしていました。
「これだけ調べていれば大丈夫だろう。」
当時は本気でそう思っていました。
しかし現実は甘くありませんでした。
書類選考で不合格になることも珍しくなく、ようやく面接まで進んでも、当時は圧迫面接が珍しくない時代でした。
今でも忘れられないのが、ある企業の集団面接です。
私は緊張で頭が真っ白になり、質問に答えるだけで精一杯でした。
一方で、隣の学生は落ち着いて面接官と会話を続けています。
質問に対して自分の考えを交えながら答え、企業の事業内容や強みについても自然に話していました。
その姿を見て、私は驚きました。
「この人は、私よりもずっと企業のことを理解している。」
その差は、話すのが上手いかどうかではありません。
企業を理解するために費やした時間と、リサーチの深さの差だったのです。
もちろん、その面接で私は不合格でした。
社会人になった今なら、当時の自分にこう伝えたいと思います。
「見ているところが違うよ。」
会社説明会や採用ページを見るだけでは、本当の企業研究とは言えません。
会社は何をして利益を生み出しているのか。
なぜその会社が選ばれているのか。
将来も成長できる会社なのか。
そうした視点で企業を見ることが、本当の企業研究だと、社会人になって初めて気づきました。
だからこのブログでは、学生時代の私が知りたかった「本当に役立つ企業研究」を、一緒に学べる教科書として発信していきます。
学生時代の私が間違えていた企業研究
当時の私は、企業研究を「会社の情報を集めること」だと思っていました。
見ていたのは、
- 給料
- 福利厚生
- 知名度
- 採用人数
- 会社説明会
ばかりでした。
もちろん、これらも就職活動では大切な情報です。
しかし今振り返ると、本当に知るべきだったのは、
「会社は何をして利益を生み出しているのか」
ということでした。
社会人になって企業を見るようになってからは、
- 事業内容
- ビジネスモデル
- 競争優位性
- 財務
- 将来性
を理解することが、企業研究の本質だと気づきました。
企業研究で本当に見るべき7つのポイント
私は企業研究をするとき、次の7つを意識しています。
① 会社は何をしているのか
事業内容を理解することが、企業研究の第一歩です。
② どのように利益を生み出しているのか
利益の仕組みを知ることで、企業の強みが見えてきます。
③ ビジネスモデル
誰がお客様で、どのような仕組みで利益を出しているのかを理解します。
④ 強み(競争優位性)
競合企業と比較し、その会社ならではの強みを考えます。
⑤ 財務状況
売上や利益だけではなく、自己資本比率やキャッシュフローなども確認します。
⑥ 将来性
5年後、10年後も成長できる会社なのかを考えます。
⑦ 自分はその会社で働きたいか
最後は、自分との相性を考えます。
企業研究は会社を評価するだけでなく、自分自身を知ることにもつながります。
うーたん式 企業研究ノート
企業研究では、毎回このテンプレートにまとめることをおすすめします。
うーたん式 企業研究ノート
企業研究では、次のテンプレートを使って情報を整理すると、企業ごとの特徴を比較しやすくなります。
| 項目 | チェックポイント | 記入欄 |
|---|---|---|
| 会社名 | 企業名 | |
| 証券コード | 上場企業なら記入 | |
| 業種 | どんな業界か | |
| 事業内容 | 何をして利益を出している会社か | |
| 主な商品・サービス | 代表的な製品・サービス | |
| 主な顧客 | BtoB・BtoC・官公庁など | |
| ビジネスモデル | どのように利益を生み出しているか | |
| 強み(競争優位性) | 他社にはない特徴は? | |
| 競合企業 | ライバル企業は? | |
| 売上高 | 成長しているか | |
| 営業利益 | 本業で利益を出せているか | |
| 営業利益率 | 稼ぐ力は高いか | |
| ROE | 効率よく利益を生み出しているか | |
| 自己資本比率 | 財務は健全か | |
| キャッシュフロー | お金はしっかり残っているか | |
| 将来性 | 今後も成長が期待できるか | |
| リスク | 注意すべき点は? | |
| 働く視点 | 自分が働くなら魅力を感じる点は? | |
| あなたならどう見る? | あなた自身の考え・気づき |
ポイント
このテンプレートを使えば、どの企業でも同じ視点で比較・分析できます。
このブログの実践編でも、毎回この「うーたん式 企業研究ノート」を使って企業研究を進めていきます。
このブログでは、実践編(NTT、トヨタ自動車、ソニーグループなど)の企業研究でも、このテンプレートを使って分析していきます。
企業研究に役立つ情報源
企業研究では、次の情報源を活用すると理解が深まります。
企業研究に役立つ情報源
企業研究では、複数の情報源を組み合わせることで、企業をより深く理解できます。それぞれの特徴を知り、目的に応じて使い分けましょう。
| 情報源 | わかること | おすすめ度 |
|---|---|---|
| 企業ホームページ | 事業内容・企業理念・ニュース・採用情報 | ★★★★★ |
| IR情報(投資家向け情報) | 決算資料・経営戦略・中期経営計画・社長メッセージ | ★★★★★ |
| 有価証券報告書 | 事業内容・リスク・財務状況・経営方針 | ★★★★★ |
| 四季報 | 業績・特徴・競合企業・今後の見通し | ★★★★☆ |
| IR BANK | 売上・利益・ROE・自己資本比率など財務データの比較 | ★★★★★ |
| 決算説明資料 | 経営者の考え方・成長戦略・注力事業 | ★★★★★ |
| ニュースサイト | 最新ニュース・業界動向・企業の話題 | ★★★★☆ |
| 就職情報サイト | 仕事内容・募集要項・社員インタビュー | ★★★☆☆ |
| 口コミサイト | 社員の口コミ・働き方・社風(参考程度に活用) | ★★☆☆☆ |
ポイント
企業研究では、一つの情報源だけを信じるのではなく、複数の情報を見比べることが大切です。特に企業ホームページ、IR情報、有価証券報告書、決算説明資料を組み合わせることで、企業の実態をより深く理解できます。
今後のシリーズでは、それぞれの見方も詳しく解説していきます。
このブログで学べること
このブログでは、「企業研究の教科書」として、基礎から実践まで順番に学べるシリーズを作っていきます。
企業研究の教科書
- 第1章:企業研究のやり方
- 第2章:会社は何をして利益を出しているのか
- 第3章:ビジネスモデルの見方
- 第4章:競争優位性の見方
- 第5章:財務諸表の見方
- 第6章:IR資料の読み方
- 第7章:将来性の考え方
- 実践編:実際の企業を分析してみよう
基礎を学び、その後に実際の企業を分析することで、「会社を見る力」を身につけることを目指します。
まとめ
企業研究は、会社の情報を集めることが目的ではありません。
「会社を見る力」を身につけることが、本当の目的です。
もし、あの頃の自分に「企業研究の教科書」を渡せるなら、きっともっと違う就職活動ができていたと思います。
このシリーズは、そんな過去の自分に向けて書くつもりで、一記事ずつ丁寧に作っていきます。
そして、この記事を読んでくださったあなたにも、「企業を見る力」を身につけるきっかけになれば嬉しいです。
一緒に企業研究を学んでいきましょう。
第2章へ
【企業研究の教科書②】会社は何をして利益を出しているのか|事業内容から企業の本質を読み解く
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